外来案内
眼科
主な疾患・治療法
1)白内障
眼の中にある水晶体(いわゆるレンズ)が濁ってしまう病気です。
大半は老人性白内障と言われるような加齢性のものですが、その他にも糖尿病性、ステロイド剤投与の副作用によって起こるもの、外傷性などその原因は様々です。症状は進行すると視力が低下しますが、初期には光が眩しい(羞明)と言ったものであったりもします。
治療適応は個々の症例によって異なりますが、一度濁ってしまった水晶体を薬で元の透明な状態に戻すことは不可能ですので、当院では原則として手術加療をお奨めしています。


2)緑内障
物を見るための神経が痛んでしまい、視野がだんだん欠けてきて、最終的には失明に至ってしまうこともある病気です。
日本人では40歳以上の5%の方が罹患していることが判っている、実はそれほど珍しく無い病気です。
治療はまず眼圧を下げる点眼薬を用いますが、点眼治療にて進行を止めることができないケースでは手術加療が適応となります。
10年ほど前にプロスタグランジン製剤といわれる治療薬が使えるようになってから点眼治療のみで済む症例が増えてきています。
緑内障により一度失われてしまった視野はもう元には戻りませんので、早期発見・早期治療が非常に重要になります。
ただし、初期の緑内障ではまず自覚症状はありませんので、40歳以上の方に関しては定期的な眼底検診、それも眼科専門医による検診を推奨します。
なお、当院及び併設の健康管理センターでの眼底検診は全て当科の眼科専門医が結果判定を行っています。



3)糖尿病網膜症
当院には糖尿病内科がありますので比較的多い疾患です。無治療で放置すると失明に至る可能性のある病気です。
初期の段階では内科的な糖尿病の治療を行いますが、進行した場合には網膜光凝固術(網膜をレーザーで灼きます)や硝子体手術が適応になります。
治療適応決定に関してフルオレセイン蛍光眼底造影検査という検査を実施することもあります。
糖尿病網膜症は“悪くなったら何かしましょう”では無く、”悪くならないようにしましょう”という類の病気です。
この病気もかなり進行しないうちには自覚症状がありませんので、当科では糖尿病をお持ちの方には最低でも年一回の眼底検査をお奨めしています。


4)網膜静脈分枝閉塞症

脳や心臓では血管閉塞と言えば動脈閉塞のことですが、眼科領域では動脈閉塞に加えて静脈閉塞が問題になります。
頻度的には約1%の頻度で発生します。高血圧のある方は特に要注意です。
症状は突然起こる視野の異常です。
網膜出血あるいは網膜浮腫(むくみ)が黄斑と言われる眼の中心部分に及ぶと視力低下が起こります。
いったん視力低下が生じるとなかなかに治療の難しい疾患なのですが、状況に応じてレーザー治療や薬物投与を行います。
5) 黄斑前膜
網膜の手前に薄い膜が張る疾患です。
特に黄斑と呼ばれる眼の中心部に張った膜は黄斑前膜と呼ばれ、視力低下の原因になりえます。
約5%の方に見られるそれほど珍しくない疾患です。
前膜の原因は多くは加齢性ですが、時に網膜の隅っこに穴(網膜裂孔)が開いていることが原因のこともあります。
大多数の症例では視機能に影響を与えないので経過観察となりますが、視力低下や歪視(ものが歪んで見える)が発生した症例では硝子体手術を実施して治療します。
下の眼底写真は黄斑前膜の術前(上)と、術後(下)を比較したものです。


6) ドライアイ(乾性角結膜炎)

いわゆる”かわき目”です。
“目がシュパシュパ”し、進行すると角膜(黒目)や結膜(白目)に傷が付いてしまう疾患です。
涙の分泌量が減るタイプ(涙液分泌不全型)と涙の蒸発が早くなるタイプ(涙液蒸発亢進型)とがあります。
基本的には人工涙液の点眼加療を行いますが、重症例では涙の流出路である涙点という小さな穴に詰め物(涙点プラグ)を入れたりします。
7) 翼状片

白目の鼻側が充血して赤くなることで気付かれる方が多い病気です。 見た目の悪さ以外には視機能的には問題ないこともありますが、翼状片が原因で乱視が発生し視力が低下することもあります。
治療は手術しかありません。 美容的な問題、あるいは視機能的な問題が手術適応の基準となります。